事件を解決する

先日舞鶴女子高生殺人事件の判決が出た。
また神戸連続児童殺傷事件が14年を迎えるということで、父親の土師守氏がコメントを発表された。

2つの事件を見ていて、共通するのは、容疑者が逮捕された途端に、容疑者と関係ない証拠や証言などは切り捨てられている、という点だと思う。

舞鶴の場合、被害者はおめかしをして出かけた。相当長い距離を歩いた。途中で何か目当てのものを発見したらしくそれをホームページに書き込んだ。そうしたことはどう説明するのか？

神戸の場合、早朝に複数住民が黒い車が校門の前に止まっているのを目撃していて、男がなんどかこの場所に来ていたという情報はどうなったのか。

いったん裁判が始まってしまえば、「容疑者は有罪か。どういう罪か。」を巡って裁判は争われる。
加害者がどう殺したのかだけが問題である。
被害者がどう殺されたのか、どのように事件を解決したらいいのか、という観点は存在しない。

たとえば被害者の視点にたっていれば、糸鋸で首を切るのは相当難しい、という前提が医者によってわかりさえすれば、少年Aは犯人ではありえないということになる。そして、犯人でなければ、彼が犯人だと証言している人が故意に嘘をついているのは明白になる。だが、裁判は少年Aは殺人を犯したのか、傷害致死なのか、死体遺棄なのか、どういう犯罪があったのかという観点でしかみないのである。
舞鶴女子高生殺害事件の容疑者の中勝美さんは、法廷で頻繁に「真犯人は～～だ！」と叫んだ。これは法律の上ではもっともなことであって、ほかに殺した人間がいる、ということにならないと、警察や裁判所は動かないのである。

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