裁判所・警察

＠さんから盛んに西成の矢島医師についての報道の情報を頂戴している。

私どもにご依頼いただく皆様方がお持ちの問題というのは、それぞれ異なった悩みをお持ちではあるが、ニュースにならないからといって、その人の悩みが過小評価されていいということにはならない。殺人事件でニュースになったというのは、それが行き着くところまで行き着いたということにすぎない。
現在進行形でそういうご相談を受けるということは、そこにいたる様々な問題を目の当たりにするということになる。

それやこれやで思うのだが、自分で経験するまでは、どうも日本人というのはお上を信じすぎる傾向があると思う。
実は私もそうだった。
だが事件が起こってみて私たちが否応なく気づかざるを得ないのは、裁判所も警察も役所に過ぎないということだ。その判断は独自の基準があり、その基準の範疇にないものは経済の原則で決まる。つまり、手間や時間がかからないほうがいい、ということである。

「そんなやつは死刑にしてしまえ」みたいなことをいう人がいる。
誰が死刑にするのかというと、お金をもらって役所の人があなたの代わりに人を殺すということである。私たちはそういう想像力を普段持つことはない。あなたが「じゃ～万円あげますから、この犯罪者を殺してください」といわれて、心楽しく出来るようなことではないのだ。

この矢島医師の事件の場合も、自殺でないとする証拠が少なく、そう判断すれば警察の業務として早く解決するという判断が働いたのか、あるいは別の理由があったのか。しかし、このケースではご家族が医者であり、ある程度の収入と社会的地位もあった、ということもある。

もし身寄りのない人、経済的に非常に困窮している人が警察や裁判所・法曹関係者によって非常に不都合な判断をされたらどうなるのか？
岩手県の17歳少女殺害の事件や舞鶴女子高生の事件を考えると、そういう立場に立たされた人というのは、非常につらい思いをせざるを得ないとは思う。

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