初動の遅れ (2)

前回の記事は、過去の動画や記事などを見ていて、少しずつこうではないかと思ったことだが、しかし、そのようにして時系列に並べていく間に、1号機は12日の6：50には全部溶融していたと考えられるという発表があった。
すると、別の疑念が浮かび上がってくる。
どうもおかしいような気がするのだ。

首相は6時14分に屋上から福島第一原発に向かった。
7時11分についた。

つまり、首相が福島第一原発に到着したときには、すでに燃料はすべて溶け落ちていた。
その場には
原子力安全委員会の班目委員長がいた。
東京電力副社長の武藤栄原子力・立地本部長による説明があり、池田経産副大臣同席したとある。

毎日新聞の報道では、出発前に班目委員長は「総理、原発は大丈夫なんです。構造上爆発しません」といったとされる。また首相自身が帰ってから「大丈夫。原発は爆発しないよ」と言った。
これに先立つ5：44には半径10km内の避難指示が出されている。

我々素人は、原子炉は壊れておらず、水もなくなってはおらず、燃料も全部は損傷しておらず、なんかやばいことが起こったんだろうけど、不測の事態で爆発したと考えてきたから、それで納得してきた。

しかし、実は相当危機的だったからこそ、斑目さんと菅さんの訪問が行われた、と考えたほうが筋が通っている。引き返すことが出来なかった東電社長・会長を除けば、面子も揃っている。

すると、ここで誰一人本当に起こっていることを知らなかったのだろうか。

少なくとも吉田所長と武藤副社長は大体何が起こっているか知っていただろう。
班目さんがどうのなかわからない。
だが、東電の二人が菅さんと班目さんを煙に巻いたか、政府側の人間だけ真実を伝えられなかったか、あるいは菅さんも知っていて芝居をうったか・・・そんなことがあるのだろうか。

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