舞鶴女子高生論告求刑

地震や災害ですっかり影が薄くなっているが、舞鶴女子高生殺害事件の論告求刑が18日にあった。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110319-00000032-san-l26

検察は死刑を求刑した。
中被告は中被告で、被害者の母親が真犯人だと法廷で叫んだりしたらしい。
それで、「自分ではないのに犯人扱いされた、極刑を」みたいなことになってるようだ。

私は、中さんを死刑にしてはいけないと思っている。

一応、ホロスコープは前見たとおりだ。もう少し若い人物の関与があるのではないかと私は思っているが、しかし、いずれそれは怪しげな占星術に過ぎない。証拠にも何もならない。

中さんの態度も確かにいただけないとは思う。
他の人の名前を挙げたり、行儀悪いとは思う。
だが行儀が悪いから殺人事件の犯人に仕立てられていいかどうかは別問題だ。
直接的な証拠が何もないのである。

中被告が犯人であるという証拠は

1. 防犯カメラで被害者と見られる女性と歩いている男性が中被告に似ている。
2. 中被告が加害者しか知りえないポーチの色を言った。

というものだ。
1. について、東京歯科大学の橋本正次という方が鑑定を行い、中被告と同一人物であるという可能性が極めて高いと仰っている。
だが、橋本先生、実は拉致被害者の写真をはじめ、多くの事件の鑑定を行ってはおられるのだが、拉致被害者の鑑定のときに、正面の写真のみを見て「同一人物と考えられる」と仰った後、「詳しい鑑定の結果違う」と意見をひっくり返した方だ。今回の防犯カメラの映像は拉致被害者のものに比べればはるかに解像度が低い。
だから、この「可能性が高い」は「イコール」とは果てしなく距離があると思う。

2.のポーチについては、被告は誘導尋問だと主張している。

それに、仮に防犯カメラに移ったのが中被告であって、被害者のポーチの色を知っていたとしても、殺害したかどうかは実はまったくわからない。
直接証拠がなくて有罪が確定したものに和歌山のカレー事件がある。しかし、このときはカレーに砒素が入っており、被告の自宅の庭から砒素が発見されたということになっている。この証拠が本当かどうかそんなことまで私はわからないが、証拠として提出されたなら、めったにない犯行の直接的な道具があっちとこっちで見つかったということはいえるかもしれない。
しかし、今回殺害の道具すら見つかってはいない。

もっといけないと思うのは、被害者が当日ブログやらにいろいろ記録を残しているのに、それについての合理的な説明が何一つないのである。
これは法律的にはとがめられることはないが、本人も学校へいっていないし、ご家族もそんな夜中にサンダルで何しに外出したか、何一つ知らない。
60歳のあの外見の中さんがどうやって高校生を夜中におびき出すことができるの？

少なくと今の法律の上で中さんが有罪になるようなことがあってはいけないと私は思う。こんな前例ができれば、「防犯カメラで殺人現場の近くにいたと推定される」人はいつでも死刑にできるのだから。

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