天界の一日は下界の一年に当たる?

惑星が人間の活動に影響を与えるなどあり得ない、というご意見は占星術に対する批判的意見としてあちこちで目にするものである。
こういう批判をする皆さんは、生命は地上の偶発的発生物、風が吹いたり、火が燃えたりといった偶然の出来事の積み重なりである、とお考えになっておられる。
それではそのような偶発的な発生物によって、100年なり数十年なりの継続的な生命活動を説明できるのかと言うと誰もできない。

命は神そのもの、聖霊そのものから来ているとしても、人間はある個性を持った存在として様々な経験をしながら一生を生きる。いかに人間が意志を持った存在であったとしても、0歳から80歳まであらゆる物理法則を無視してまっすぐ生きているかというと、そんなことはあるわけがなく、星の定めた一定のルートにそって人生を生きることになる。

そこで、私自身は普通の考えとして受け入れているけれども、誰もがそう思っているわけではないことがある。

異なるコスモスでは時間が異なるということである。

なぜ人間は数十年にわたって、しかもいくつかに分けられた人生の特徴ある時期を経過しながら一生を生きるのかと考えたときに、異なる時間を持つ世界との相互作用というものを考えて初めて素直に説明できるのである。惑星の世界での1日は人間の1日とは違うのだ。人間が神の似姿として作られて、惑星界や神を自分の中に持つからこそ、人間はこれほどまで豊かな人生をもつことができる。言葉にするとすごいことを言っているようだが、要するに学校に言ったり会社に行ったり結婚したり子供を作ったり別れたり死んだりするということである。地上には1年しか生きない虫や草もある。何十年の豊かな人生は人間ならではのことである。

ところが西遊記などの古典を見てると、いま神秘学者とか私のようないかがわしい連中が、さも重大なことを明かすように言っていることが、ごく普通に書かれている。「天界の一日は下界の一年に当たる」というのがそれである。
もっとも話のなかでは孫悟空は天界に行って、馬小屋の世話を15日ほど勤めて帰ってきたら、地上では15年たっていたとか、面白おかしい話になっている。
だが、多分これはある時期この思想が当たり前に行き渡っていたということを暗示するものである。

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